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春季県大会・準決勝

5月27日/メイプルスタジアム

八戸工大一 020 000 000 =2

青森山田  020 100 10X =4

【山】寺岡、斉藤勇、三上―福原 (二)齊藤孔

 青森山田打線が八戸工大一の最速150キロ右腕、古屋敷匠眞(3年)の攻略に成功、8安打で4点を挙げた。2回表に相手に2点先制を許したが、その裏1死満塁で8番齊藤孔明右翼手(3年)が右越え二塁打を放ち、2者かえって同点。4回にも1死二、三塁で齊藤孔が中犠飛を放ち逆転した。7回には3番阿部健大中堅手(3年)の左前タイムリーで4点目。プロ球界も注目、東北ナンバーワン右腕と評判の古屋敷を打ち崩した。

 齊藤孔は1年秋から活躍。東北大会優勝に貢献し、神宮大会ではホームランも放った。今大会では前の試合まで1番だった。だが準々決勝の青森東戦で4打数無安打など不振。この試合では8番に下がった。「スタメンから外されるのでは、と不安だった。でも8番に使ってもらった。この1週間、古屋敷投手を想定して練習してきた。打ててよかった」と明るい笑顔を取り戻した。

 投手陣では三上世視滝(3年)の好投が光った。5回から救援し、5イニングを2安打8奪三振無失点に抑え、勝利を呼び込んだ。伸びのあるストレートに鋭い変化球で、八戸工大一の打線につけ入るスキを与えなかった。

 三上は座骨骨折で昨年のシーズンを棒に振った。痛みが始まったのが、奇しくも昨春県大会の初戦八戸工大一戦で、この時は3-4で敗れた。1年越しの雪辱を遂げた。冬から厳しいトレーニングで体を鍛え、ストレートの威力が増した。三上は「以前はただ練習していた。故障の後は、野球ができることに感謝して練習に打ち込んだ」という。苦しさに負けない青森山田魂を示してみせた。